空海の目

　804 年、遣唐使船に乗って空海がたどり着いたのは、唐の都として世界の中でも最も人や物資が集積するシルクロードの東の起点であり、街には商人たちが行き交い、多言語が混じり合い、並ぶお店の中にはペルシャ生まれの少女が露天で人を集めて舞踏をして見せる光景が見られるほど繁栄した長安（今の西安市）でした。
　約1200 年前の日本では疫病や災害に見舞われ、祟りから距離を置きたいと思った桓武天皇が発起し、長安の街を模して平安京に遷都して間もない頃です。
空海はそこで食べたこともない料理をいただき、各国の品々を見て、西国などから集まる民族衣装に包まれた人たちと交わっていたのでしょう。肌の色や言葉や宗教の分け隔てなく多民族が暮らす国際都市長安での生活体験が、それからの彼の思想に影響を与えたことでしょう。
　世界に広がったコロナ感染が落ち着き、わが国のインバウンド客は先月から300 万人/ 月を超え、昨年を上回る勢いから政府も見通しを上方修正し、今年は4,000 万人/ 年を見込む様子です。
　最近ＴＶ番組や動画サイトで訪日外国人にインタビューする動画を眺めていると、来日するきっかけや日本の魅力を自らが語るキーワードに興味を持ちました。「街がキレイ」「日本人は親切」「外国人に違和感が少ない」などの声のほか伝統文化やグルメ、祭りなどをあげています。グルメでは寿司や刺身、天ぷら、ラーメンなどを賛美し、海外にも数多くある日本食レストランと比較しても全く違う味であることや日本では当たり前であるおしぼりやお茶の提供も新鮮に感じて、母国と違うという驚きがあります。寿司はいろいろな生魚のネタが提供され、指を使っていただく習慣、趣向を凝らした小皿に盛られた八寸は器の趣向や多彩な味に“ アート” であると感動しています。他にも、神社仏閣が共存してる街並みや、富士山の山容が“ ビューティー” だと思う人、路上にゴミ箱が無いのに街がキレイと不思議に思う人、道案内や交通機関の乗り方など笑顔で応えてくれる親切さが嬉しいと思う人、深夜でも女性がひとりで歩いても安心だなどがあります。京都や奈良に至っては街全体がテーマパークのようで“ クール” と話す人もいます。
　僅か八丈ほどの遣唐使船に乗船し、大陸に接岸できるのは半分程度の確率と言われる中、命がけで唐に渡った空海が見た長安の異文化は驚きの連続だったでしょう。現在は殆どが空路で手軽にやってくる外国人達ですが、私たちが当たり前に思っている文化や慣習、グルメ、祭事などを彼らは空海と同じ目で見ているのだなぁ～と感じました。（や）

飯南町の魅力

　日暮れも早くなりつつも相変わらず暑い日が多くまだまだ残暑が厳しい日々が続いております。休日など外に出て散歩などをしていてもうだる暑さのせいか早々に切り上げてしまうこともしばしばございます。
　そうかと思えば近年の異常な気象ですから反対に急激に寒くなってくることもあるかと思いますので、お客様におかれましてはくれぐれもご自愛ください。
さて、気温は暑くてもスーパーなどでは、りんごや梨、ぶどうなど秋の美味しい味覚がたくさん並んでおり収穫の秋らしいという言葉がぴったりだと感じます。そんな中りんご狩りも各地で行われているようで松江市から1 時間半程度で行くことができる「赤来高原観光りんご園」では9 月から11 月半ばまで8 品種のりんご狩りを楽しむことができます。
　りんご栽培は気候などの条件が限られる中、島根県内でも生産されていると聞き最初は驚きました。山間高冷地の気候をいかし「りんごの栽培」をおこなっており、私も現地でたくさんのりんごの木を見た時は驚きました。私が訪問した際はまだりんごの季節ではなくブルーベリーが旬でしたのでブルーベリーを美味しくいただきました。
　また、飯南町は大万木山、琴引山にアクセスができ、秋は登山やトレッキング、キャンプや紅葉と楽しさ盛り沢山となっております。りんご狩りのほか、三瓶山の観光リフトど、飯南町やその周辺で秋らしいレジャーを楽しんでみてはいかがでしょうか。（さ）