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Webplan News  2024年7月号

  

マリアージュを求め

 県外からお客様を迎えるために、少々値が張る飲食店の暖簾をくぐりました。この時期の松江らしいグルメは蜆、鮪、イサキなど季節の魚種は絶えません。そうだ!“いわがき”を召し上がっていただこうと思ったのは、殻付きの“いわがき”をいただく機会が都会では稀なことから地元産の牡蠣を指定し、店の板さんが創作するサプライズを期待しますと、事前に意を伝えておきました。
 はじめて一緒に食事する時には、お店選びや味や雰囲気を気に入っていただけるかどうか気を遣います。お店のスタッフの対応によっても場が和やかになると思うからです。その店は女性が愛想よくお皿の品を運び、ネタ名を紹介してくれます。食材の産地や調理法を質問すると簡潔に答えていただいたのは嬉しかったです。例えばお刺身にはワサビと醤油だけではなく、塩の小皿が用意されたので「塩ですか?」と尋ねると、「ハイ、魚の味がひき立ちますよ」との返答、メインの牡蠣は女性が二種類の皿を運んでこられました。ひとつは殻の上に四等分されたスガキ、もう一皿はさいころステーキが四つ盛られてます、女性から「牡蠣の上に和牛を載せて一口で召し上がりください」とのアドバイス。はじめて体験する異色の取り合わせに私の好奇心は高鳴り、贅沢品二段重ねを口に放り込むと、私もお客さんも「旨い!」と感動し、板さんのサプライズに感心しました。“キュウリに蜂蜜をかけるとメロンのように変わる”と聞きますが、思わぬ取り合わせに喜びました。
 食材の取り合わせに話が弾み、“企業だって一緒”と話が飛躍しました。鉄道会社が金融事業への参入、写真企業がコスメ・薬品分野へ主力を変えたなどを例に、「企業は業種の壁を越えて新しい事業に挑戦が必要だ」とお客様と意気が通じ合いました。
 20世紀から続くITによる産業革命はいよいよ大きく舵を切って、全ての産業に行きわたり、社会を変えています。広告市場では雑誌・新聞・テレビなどの既存メディアは広告量が減少し苦戦を強いられています。理由はGAFAをはじめ黒船達が我が国の市場を席巻しており、ネットやスマホでSNSを使うと、広告の元締めは黒船達なので、そこに殆どのお金が流れてゆき、地方の零細企業にはうま味はありません。
 欲のないことで知られる、境港出身の故水木しげるさんの幸せ談のひとつに「腐りかけたバナナを嫁と一緒に食べることはとても幸せ」だそうです。最小限のコストで幸せになれるお手本です。
 新しい事業に美味しいマリアージュを求める挑戦者になるか、水木流の幸せを探すのもありだなぁ~と、空になった皿を前に思いました。(や)

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▲さいころステーキといわがき(2024.7月)
三瓶山
三瓶山(西の原)と夕すげ(2024.7月)▲

ぐるない松江版34号発行しました。

 ぐるない松江版は34号を今月発行しました。2005年に発行して以来20年目を迎えることになりました。仕様は発刊時と同じカタチで、グルメに拘った飲食店と語らいを楽しむ二次会用のお店を分けて掲載しています。
 お店は時の背景によって変わりました。創刊当初はバブル崩壊の経済から立ち直り小泉政権下で地元の歓楽街も賑やさが増し、たくさんのお店が出店しています。団体旅行から個人型の旅行に移り2009年麻生政権下で高速道路をどこまで行っても1000円の政策で、松江の観光客数は伸びたと実感します。個人客がビジネスホテルなどを利用して、夕食に地元の魚グルメを居酒屋などで召し上がる方々が多く見られました。先のコロナ感染症のパンデミックから旅行客が減り松江の歓楽街もお店を閉じ、再起できないお店も多く見られました。またネットの影響で営業面で対抗できるようにネット版と合わせた掲載などの工夫をしてきました。
 ぐるない松江の最新号は掲載店舗は少なくなったものの、コロナの影響を耐え続けられて今も営業されるお店や、新しく出店されたお店等にご協賛をいただきました。
 どうぞ松江の飲食店をご贔屓にしていただきますようお願いします。(ぐるない編集室)

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ぐるない松江版創刊号(2005年4月)▲
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ぐるない松江版34号▶

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