高速道路無料化及び1000円と震災の復興は別では!
▼三平山から大山南壁と烏ヶ山(上)と
▼天の真名井源泉(下)
山陰地方は1月の大雪と、3月の大震災以降の自粛ムードから観光客の低迷が続きましたが、GW連休でほぼ昨年並み客入りを取戻しました。夏・秋に向けての観光客増に弾みがついた中、6月20日より高速道路無料化及び上限1000円が凍結され社会実験が終わりました。
私はこの判断いかがなものか?と思います。
山陰地方は都市部より数十年遅れた高速道路整備によって最近このインフラを利用できるようになりました。今回の無料化は遅れた地域を限定した「粋なはからい」と受け取っておりました。
ところが震災の復興財源に充てると言う名目での凍結は別ではないでしょうか。
まず、経済効果は約2兆7千億円といわれる無料化と1000円の施策によって、地方の観光産業をはじめとした景況感は戻りつつある状況で、投資(財源)した以上の経済効果があり、やがて景気が上向けば企業所得が増して、税金として国に帰ります。地方が活性し経済が持ち直し、企業などの納税額が増えれば、震災の復興を支える財源となるでしょう。
さらに、経済は東京の一人勝ちによって地方経済が衰退傾向の中、地方を活性化させる政策のひとつであったはず。第一、高速道路の無料化は公約でもありました。
参考までに全国のSA(PA)ではこの実験期間中土日の売店売上は約2割アップしたそうです(国交省「高速道路無料化社会実験効果検証について」より)。山陰でも期間中県外ナンバーの乗用車が目立ち、ホテルや飲食店からも観光客増加の実感があると聞いていました。鳥取県では無料化区間が米子道にも延長され(終了に伴い無料化されず)「県内全域高速道路無料」を観光戦略のひとつに予定されていました。
この社会実験を止めることで、これを利用して山陰に訪れる観光客の勢いが遮断されるように思われので、何とか復活できないものかと思います。
震災の復旧・復興と地方経済の復活を財源面だけの理由から目先だけの、もぐらたたきのような政策は止めていただきたいものです。(や)
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