経験したことの無い危機
「行く春や鳥啼き魚の目は涙」は芭蕉が奥の細道への旅に出かける前に詠んだ一句です。例年大型連休前になると旅の思いに胸が膨らみますが、新型コロナの影響から国内・海外旅行のキャンセルが相次ぎ、観光施設も休業し、今までにない様相でした。
楽しみたい気持ちが収まらない私は「密」を避けて感染の心配が無い山歩きに出掛けました。道中水を張った田には農機具で田植えをする光景が見えましたが、「何かオカシイ?」と思ったら、大勢で作業をする姿が無いことに気づきました。
皆ヶ山登山口はキャンプ場の裾野にあり、そこを抜けることになりますが、広い敷地に数々の施設が見られる中、人の姿が見当たりません。晴天下の静寂したキャンプ場に違和感を覚えました。登山を楽しむ私ですが、この日キャンプ場に予約を入れた子供さんや家族の地団太を踏むような思い、また書入れ時である施設関係者の方々の無念な思いが凝結されているようで、後ろめたい気分になりました。
海外の報道や歴史などで聞いた「戒厳令」「外出禁止令」「空襲警報」等は今までは距離感ある言葉でした。近年気象庁から「特別警報」が設けられ、最大級の危険情報として「命を守る行動をとってくだい」と直感的に伝わる強い言葉です。今回の「緊急事態宣言の発出」の「緊急事態」は病気の感染を指しますが、「宣言」は曖昧なので辞書を見ると「個人・団体・国家などが、意見・方針などを外部に表明する事」(goo
辞書) とあります。さらに「発出」は「発令」ではありませんので調べてみると広辞苑には「あらわれること、あらわすこと、おこすこと」、新明解国語辞典には「役所などから通達などを出すこと」と説明されており、辞書によって少々解釈が異なり曖昧さが残る言葉です。この言葉の選択は強制力や拘束力と係わるので、後々の補償や責任等とリンクする可能性があるので、霞が関文学者がつくったと想像します。
3 月は「クラスター」「オーバーシュート」などの横文字に「?」と首を傾げた私たち、曖昧な表現である「非常事態宣言」と称する通達なので、おそらく強い確信が無いと思われます。強制力は無く、責任所在がわからない表現でも、外出を自粛する我国の人たち、お店を休業する店主の皆様はとても民度が高いと思います。
未だ届かないアベノマスク、10 万円の申請書はいつ届くのだろうかと嘆くのは私だけでしょうか。(や)
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皆ヶ山から大山南壁 |
皆ヶ山山頂 |
季節外れの大掃除
コロナウイルスの外出自粛のため、ゴールデンウィークはもちろんのこと、休日も家にいるという普段では考えられない日々が続いております。昨年のゴールデンウィークを思い返すと10
連休という大型の長期休暇で県内外の様々なところへ行っており、昨年とは全く異なったゴールデンウィークになりました。緊急事態宣言が解除されましたが、コロナウイルスの被害は未だ決着が訪れていないような状況です。早急な収束を願うばかりです。
さて、私事ではありますが、先日のゴールデンウィーク中に我が家の大掃除を行いました。昨年末に大掃除をしてから5 ヶ月の間に溜まった書類や機材などを片付けていました。季節外れではありますが、「外出自粛の間に出来ることを」と思い立ちました。
その中で気になるものが見つけました。小学校の卒業文集でした。将来の夢という項目があり、自分はサッカー選手になると書いてありました。あの頃は毎日ひたすら練習をしており、とても懐かしく感じました。
現在、その夢とは異なる人生を歩んでいますが、コロナウイルスの影響にも負けず、皆さまの広報の力になれるようにこれからも日々、精進しようと思います。(い)
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