「欺す衆生」を読みました
月村了衛著「欺す衆生」は寝る間を惜しんで読みました。モデルの豊田商事は1980年代に話題となった企業で、純金を直接渡すのではなく「預かり証」に替えて販売するペーパー商法が社会問題になりました。お客は殆どが虎の子の預金で生活するお年寄り、手口は所謂「人情作戦」で、家に上がり込んで買ってきた食材で料理をつくり一緒に食事したそうです。息子のように振る舞い親近感を持たせ、泣き落して販売したようです。全国に支店を置き、営業マンは破格の高給、さらにお客を探すテレホンレディと呼ばれる女性も高給だったようです。
1985年マスコミに悪徳商法として紹介されるようになりました。ある日永野会長が逮捕される情報が流れたので、大阪の自宅マンションに多数のマスコミが押しかけていました。そこに短刀を持った任侠系の二人がマスコミ陣をかき分け、ドアの横の子をこじ開けて部屋に中に入り、永野会長を惨殺した衝撃的な事件で終息を迎えたましたが、事件後も「誰かの口封じでは」とか「資産は何処に消えたか」と疑問が残る詐欺事件でした。
本書の主人公は元豊田商事社員であることを隠して仕事を探しますが、負い目もあって就けない、やっと見つけた職場は薄給、そして家族や子供の幸せを願って再度詐欺に手を染めてゆくあらすじです。価値の無い土地を売る原野商法は肩書のある役人と手を組んで客を役所に連れてゆき、役人から将来のインフラ計画を説明し信用させます。本来「詐欺」は犯罪であり、やってはいけない悪事であると刷り込まれていますが、本書は強欲な資産家や権力者が客なので、思わず主人公(詐欺師)にエールを贈りました。さらに和牛投資や水源投資などのノンフィクションであるかのような案件が展開され、著名人や経営者、政治家などが同類の肩書を持つ人達を信用し、騙される様子が痛快です。
言葉巧みに煽られて買った株が直ぐに値下りし、損をした私から見たら証券会社は詐欺師集団といえます。リーマンショックはサブプライム(低信用債権)を優良な債権に同胞させて高い格付けを付けて販売した詐欺のようなものでした。反省してリセットされたはずですが、10年以上経過した今は過去の教訓を忘れたかのように、金融資産は実体経済の数倍にも膨らんでおり、周りを見渡せばレバレッジをかけた金融商品や高リスクの債権をまとめた高配当商品が見られます。銀行などが利ザヤを求めて詐欺のような外国商品を保有しているようですが、金融が発端となる経済危機によって、またも経済が低迷することが無いことを願います。(や)
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大山弥山山頂より剣ケ峰を望む(2016年12月) |
月村了衛著「欺す衆生」 |
「iPhone 11は便利
先日、家電販売店へ立ち寄りました。特に目当てのものはなく、そのまま何も購入せず、帰路につくつもりでした。出入口付近に携帯販売店があり、最新のスマートフォン情報が気になり、そちらにも立ち寄ってみました。
以前よりiPhone7を使っており、中でも指紋認証がお気に入りでした。現在はiPhone11が発売されており、iPhone7に比べて画面が約1.5倍になっているのではないかという印象を受けました。店員の女性が声をかけてきて、長期利用特典が使えると聞き、思い切って購入しました。
使用してみると、とても画面が大きく、iPhone20が開発された折にはポケットに入らないぐらいの大きさになっているのではないかという感想でした。機能も充実し、今まで不可能であった機能も備えており、便利になったと思った反面、使いこなすまでの期間はやはり使いにくいと思ってしまうこともありました。
現代はスマートフォン中心時代、スマートフォン1台あれば音楽が聴ける、高画質の写真が撮れる、お店で支払いができるなど何でもできるようになりました。
しかし、これらを使うのは人間であり、使いこなせるかはその人次第であるということです。スマートフォンだけでなく、様々な文明の利器のお陰で便利な世の中ですが、それに伴って操作スキルアップが不可欠であると感じました。(い)
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